2019年2月8日金曜日

TOEICのリスニングを鍛える方法

TOEICのスコアを上げたいと思っていろいろ情報を調べたり、書店で参考書を見たりすると、とにかく小手先のスキルを強調したものが目立ちます。
問題を先読みするとか、良く問われるパターンを身につけるとか。

はっきり言って、そんなもの不要。
むしろ英語学習的には遠回りとさえ言えます。
だって、それでちょっとTOEICの点が上がったとしても、英語力が上がったわけではありません。
600点の実力しかないのに650点が取れてやった~!と思うのは勝手ですが、英語の実力が上がらなければ、結局それ以上のスコアアップが望めません。

■鉄板の学習方法はディクテーション

リスニング力を根本から鍛える鉄板の学習方法は、ディクテーションです。
TOEICでハイスコアを狙おうという方なら、TOEICと同形式の問題が載っている参考書を持っていると思いますので、それを活用しましょう。
Part3/4の問題文が最適です。
やり方はこんな感じ。

(1)Part3、Part4の問題から1セットを選び、まずは普通に一度解いてみます。
(2)答え合わせを先にしておきましょう。
(3)ここからディクテーション。会話文・ナレーション文を聞いて、聞こえた英文を紙に書き写します。
・ちょこちょこ止めながらでかまいません。1語ずつでもOKです。
・聞き取れなかったところは巻き戻して何度も聞いて書き取ります。
・弱い音(冠詞、三単現や複数形のs、代名詞、過去形のed、短縮されたwillなど)に注意
・どうしても聞き取れない、自信がないところは空欄や下線などで印をつけておく
(4)完璧に書き取れた or これ以上聞いてももう書き取れないところまでやったらスクリプトと比べます。

ディクテーションのやり方はこんな感じです。
Part3・Part4の問題文は30~40秒程度ですので、長さ的にもトライしやすいです。

僕はこれを模試3回分やりました。(実際は1.5倍速で聞きながらやりましたけど)
これだけやるとTOEICのリスニングが劇的に聞き取りやすくなっていることに気づくはずです。
模試3回分は、ちょっと頑張れば2か月くらいあれば十分できるはず。
実は効果比で考えてもそんなに時間のかかる学習法ではありません。

■さらに負荷アップで満点を目指せ

900点以上を狙う場合などはさらに負荷を上げて、本番で楽に問題が解けるように英語耳の筋力アップをすることもできます。
負荷の上げ方はこんな感じ。

(A)1.5倍速などスピードを速くしてディクテーション。
(B)ディクテーションした後、リピーティング・シャドウイングを行う。
(C)リピーティング・シャドウイングも可能なら、1.5倍・2倍で行う。

リスニング力強化には非常に効果的ですので是非お試しください。

2019年1月10日木曜日

TOEIC990点を目指すときのテスト戦略

TOEICで990点を目指すにあたって思うこと。
それは、テストのテクニックを気にしているうちは無理なんじゃないかということです。

つまり、リスニングは問題文を先に読んでおこうとか、マルチパッセージはこういうところが問題になりやすいとか、そういうのを気にするレベルを突き抜けないといけないんじゃないかと感じています。

まぁ、990点というのは最高点で、言ってみればTOEICではそれ以上の英語力は計測不能ということになります。
なので、同じ990点といっても英語力は人それぞれ。
「私は800点です」というとある程度英語力の想像がつくのですが、逆に「990点です」と言われる方が、すごいことは分かるけどどのくらいすごいかはよく分からない、十分すごいんだろうくらいな感じです。

ギリギリ990点を目指すのであればテクニック的な部分も役に立つかもしれませんね。
でも本当の意味でTOEICのレベルを超えたと実感するにはそうじゃないんじゃないでしょうか。

仕事などでTOEICスコアが必要な場合でも、990点が求められることはないですよね。
少なくとも僕は聞いたことが無いです。
とすると、990点というのは自己満足、自分との闘いになります。
だからこそ、攻略したという自覚が持てないと意味がないんじゃないかな。

なので、TOEIC990点を目指すためにどうしたらいいか悩んでいる人に言いたい。
今すぐTOEIC専用のテスト対策をやめよう、と。
個人的な感覚としては、950点を越えたらもうあとは純粋に英語力を高めていくしかないかなと感じていて、日々多読・多聴、分からない単語は調べて語彙を増やす、そういう地道な努力が必要になってくるのではないでしょうか。

逆に、これはもう趣味の世界ですから、そういう努力はしんどいなという人はもうTOEICを卒業して良いのではないでしょうか。

2018年10月25日木曜日

参考書レビュー:公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング リーディング編




公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング リーディング編

■本番と同様に作られた問題集

本書は実際のTOEICの問題を開発したETSが制作した、という点が一番のウリです。
レベル感を本番と比べるのは難しいのですが、ETSには過去の受験者の膨大なデータが有るはずで、こういう点は公式にまさるところはありませんので、本番とのレベル差は無いと言っていいと思います。

■375問を20個のセクションに分けた構成

模試形式ではないので、Part5~7がそのまま再現されているわけではありません。
各セクションは、Part5形式は5問で固定、Part6~7が15問程度(セクションによって増減)で、約20問がワンセット。

1つのセクションの学習時間や解答時間の目安は示されていませんが、本番に近いペースと考えると解答時間は15分程度でしょうか。
復習も入れると20~30分程度かと思いますので、少しずつ取り組むにはちょうどいいボリュームでしょう。

■弱点は、解説が一切ないこと

この問題集の最大の弱点、それは解説が一切ないということ。
問題の正解と日本語訳はありますが、なぜその答えになるかという説明はないという、割り切った構成になっています。
これがAmazonなどで評価が低くなっている理由ですね。

ただ僕の個人的な意見としては、そこまで酷評されるほどではないと思います。
Part5・Part6は文法から答えを見つけるコツみたいなものがあるので解説有ったほうが親切かなと思いますけど、Part7とかは完全に文脈なので、訳だけあれば十分なんですよね。

文法的なところで詰まる場合には、「でる1000問」など、文法問題を扱った参考書に先に取り組んで基礎力を高めたほうが良いでしょう。

■問題のレベルは高い

レベルが高いというのは難しいという意味ではなく、本番に近いという意味で。
模試本で、あえて本番よりもやや難易度を上げて、きつめのトレーニングをするというコンセプトの本は、分かるといえば分かるんですけど、別に本番と同じで良いと思うんですよね。
例えばマルチパッセージとかでも、問題を出題する際にそれぞれの文章をどうやってつなげて情報を拾わせるかというところでは、難しくしようと思えばいくらでもひねくれた問題を作ることはできますけど、「それってTOEICのトレーニングとして必要?」と僕は思っちゃうわけです。
別に、本番と同じさじ加減でいいし、その方が練習になると思うんですよね。

■もっと評価されていい本だと思う

僕はこの本はもっと評価されていいと思っています。

「解説がない」という点では、TOEICの問題ってゆっくりやればそんなに難しいと思えないので、元々いらないかなと。

「問題が本番より簡単」という指摘もありますけど、あまりそうは思わないですね。
というか、本番も割と簡単であって、本番でスコアが上がらないのはスピードとか持久力の方の問題なんじゃないかなと。
そのへんに弱点がある人は、本番と同じ分量と時間を意識した練習をしたほうが良いので、本書は向いていないですね。

「許容解があるようだ」という指摘もあります。
つまり、正解以外の選択肢も正解と言っていいものがあるのではないか、ということです。
でも僕が見た限りそのようなものはありませんでした。
問題文の日本語訳がイマイチなのでそう感じる部分があるのかも。

■こんな人におすすめ

・文法の基礎は習得済み
・一気に100問解く時間は取れない(細切れの時間で学習したい)
・すでに800点以上を持っていて、本番形式に慣れたい

やはり解説がないので、初級者・中級者には向いていないです。
身近に教えてくれる人がいてテキスト的に使うとかそういう用途以外では、完全に上級者向けでしょう。
1回の学習時間を短く出来るので、忙しい人には向いています。
もっと小さいと持ち運びやすくてよかったんだけど、小さいと長文は読みづらいから仕方ないかな。

他社の模試本のように音声がついていたり、1000問とかいうボリューム数だったりというメリットはなくて、割高感はあります。
でも公式というクオリティの高さは安心で良いかなと。

2018年10月23日火曜日

TOEICのリーディングセクションのスピードを上げるには洋書の多読がいい

TOEICのリーディングセクションは75分ですが、これを時間内にとき終わるというのは、990点を目指すには絶対に必要なことと言ってもいいでしょう。

TOEICは不正解が有っても満点が出ることもある、ということを考えると、数問残しても大丈夫な可能性があります。
でもね、満点を目指すというのは単に990点ということではなくて、「TOEICをクリアした」と言いたいわけです。
やっぱり全部ときたいですよね。

■リーディングを時間内に解くためのスピードは?

僕自身がちゃんと図ったわけではないですが、120wpm~150wpmなようです。
(wpmは、words per minite)
これは長文ではないPart5をどれだけ速く解けるか、Part6・7を解くときにどれだけ読み返しをしないでいけるかというところにも大きく依存します。

実は僕はPart5が得意な方でして、1問平均15秒程度で解けます。(多分、一般的にかけていいと言われている時間よりは短いよね???)
その分、Part6・7は少し時間がかけられるので、すこしゆっくり読めることになります。

■単語と文法は基礎として必須

大前提の話ですが次のような原因でスピードが落ちるのは避ける必要があります。

・わからない単語が頻出し、前後からの推測を行うことが多い
・構文が取れず、同じ文を何度も読み直す

単語を100%知っている状態にすることは難しいですけど、ほとんどすべてわかる状態にはしておく必要があります。
また、これは多読でより極めて行くスキルですが、返り読みをせずに英文を前から理解できる文法力も必須です。

この点に自信がない場合は、語彙・文法の学習も並行して進める必要があります。

■多読の効果

洋書を多読すると、英語を英語のまま理解するスピードが格段に上がっていきます。
990点を目指すレベルならすでにその下地はあるはずですが、何冊も読んでいるうちに、その理解のスピードが上がっていくのは実感できるはずです。
特に僕はリスニング中心で学習してきたこともあり、リーディングに苦手意識が有ったため、いざリーディングに向き合ったときの効果はてきめんでした。

また、たくさんの英文を連続して読むというのは脳の持久力の強化にも繋がります。
TOEICも75分という長丁場ですので終盤には疲れも出てきます。
日頃から長時間英文を読むことで、最後まで楽に走れるようになります。
マラソンと同じですね。

そして楽に読めることで、読んだ内容も頭に入りやすくなります。
TOEICの3パッセージ問題などは、かなりまとまった量を読んで問題に答える必要があります。
問題を解くたびに問題文に戻って読み直すと時間のロスが大きいのですが、内容が頭にすっと入っていればその時間は節約できます。

■多読に向いた素材の選び方

まじめに「勉強用」として選ぼうとすると、結構難しいものになってしまうと思います。
しかし多読の目的は、どんどんたくさん読むこと。
ポイントはわからない単語が出てこないものを選ぶことです。

多読しながら単語も増やそうと思うのはちょっと欲張りですので、語彙的にはやさしいものにしておいたほうが良いです。
特に最初のうちは。

学習者向けに書き下したラダーシリーズのようなものもありますが、個人的にはネイティブ向けの児童書(あるいは絵本)をお薦めします。
ネイティブ向けはやはり英語が自然だし、単語は簡単でも英文は接続詞で長くつながっていたり、倒置などノンネイティブ向けでは控えてしまいそうな表現などもでてきたりします。
AmazonのKindleで買うと便利ですし、図書館などでも借りられることもあります。

いちばん大事なのは、楽しく読めるものを選ぶことですね。
長く読んでいくものですので、つまらない本はキツイです。

■どのくらいから効果が実感できる?

これは個人差が大きいでしょうが、僕はスコアが945点のときに読み始めて、50万語を超えた当たりでかなり効果を感じました。
そこまでは「Magic Tree House」という小学校低学年向けで1冊あたり5000語前後のものを中心に読んでいましたが、今では「Percy Jackson」シリーズという、高学年向けかつ1冊あたり7~8万語という長編を読んでいます。

まずは50万語というところが1つのマイルストーンですが、かけられる時間などにも限りがありますので、ムリのない目標を設定していくのが良いかと思います。

2018年10月11日木曜日

オーストラリアの英語を攻略!

TOEICでは、英米のナレーターに加え、カナダ、オーストラリアの発音が出題されます。

アメリカの英語は日本人には一般的に一番馴染みがあると思います。
イギリス英語というのはかなり発音が異なりますが、教材でも取り扱われることが多く、最近では比較的対策しやすい印象です。

ちなみに、イギリス英語のリスニング素材としては、BBCのLearning Englishがおすすめです。
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/

カナダの英語は、正直、僕にはアメリカ英語との違いが分かりません。(^_^;)
特別に対策する必要はないと思います。

■オーストラリア英語はかなり違う

オーストラリアの英語はイギリスっぽいところもアメリカっぽいところもありつつ、かなり独特な部分も多いです。
母音の発音が異なっているものが多く、簡単な単語でもパッと聞いて意味を取れない場合もあると思います。
また、全体的なリズムと言うか、強弱の付け方も少し違うように感じます。

■オーストラリア英語は対策しづらい

オーストラリア英語を打ち出した教材ってほとんどないのですよね。
もちろんTOEIC対策教材では本番に似せるため、オーストラリア人のナレーターが入っている場合がありますが、それだけでは量が少ないですね。

発音のなまりというのは、僕は、究極的には、リスニング力が高まっていけばTOEICで出るレベルのものは問題なく聞き取れると思っていて、そういう意味ではアメリカ英語・イギリス英語だけの対策でも大丈夫と思います。

ただやはりテストの対策としては、オーストラリア英語になれておくに越したことはないですね。
特徴的なのにあまり教材がないのが残念です。

■オーストラリア英語を聞くにはABC(Australian Broadcasting Corporation)がおすすめ

英語でABCというと、アメリカのAmerican Broadcasting Companyが有名ですが、オーストラリアにも同じ略称の放送局があります。
BBCほどではないですが、この放送局も英語学習用のコンテンツを作っていますので、これがおすすめ。

http://www.abc.net.au/education/learn-english/video-courses/

正直あんまり力が入っている感じがしないのが残念なんですけど、オーストラリア英語のリスニング素材としては貴重ですね。
ちゃんとしているし。
僕はEveryday Englishのコーナーが気に入って、繰り返し聞いています。

2018年10月2日火曜日

参考書レビュー:TOEIC(R)L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング2 (TTT速習シリーズ)



TOEIC(R)L&Rテスト Part 3&4 鬼の変速リスニング2 (TTT速習シリーズ)


この本、一応シリーズの2冊めという位置づけになっています。
1冊目は2014年に出版されたもので、今回の2の発売に合わせて表紙などのデザインが統一された新版となっています。(ただし内容は少しおまけが付いただけで前のものと同様)

2となってはいますが、こちらから買って問題ありません。
むしろこちらのほうが2016年以降の新形式を意識した作りになっていますので1冊選ぶならこちらで良いでしょう。

もしメソッドが気に入ってもっと同じ練習がしたければ1を手に取るというのが良いと思います。
1は出版年はややさかのぼりますが、そもそも本書のコンセプトは基本的なリスニング力を底上げするというものであって小手先のテクニックではないので、十分役立ちます。

■どんな本?

前置きが長くなりましたが、本の内容について。
本書はTOEICのPart3・4形式のリスニング素材を教材として、2.5倍速(鬼速)から0.7倍速(亀速)にスピードをかえた音声を使って、耳と口を鍛え、リスニング力をアップするというものです。

2.5倍速はまぁ、普通は聞き取れませんが、不思議と2.5倍速→2.0倍速→1.5倍速と聞いていくと、1.5倍速当たりではかなり聞き取れる感覚があるはずです。
そして1.0倍速(等倍)を遅く感じてしまうという。
人間の脳の潜在力、恐るべし、というところですね。

そして速いスピードから聞き取った後は、今度は遅いスピード(0.7倍速)から順番に、口を動かして発音していく練習を行います。

そういった練習セットが土日も合わせて4週間・28日分用意されています。(日曜は特別コンテンツで少し異なりますが)
1日分の学習時間はどれくらいじっくりやるかによりますが、だいたい30分程度でしょうか。
30分×28回の集中講座と思うと、この価格はすごく安く感じます。

■レベル感やどんな力が身につくか

旧版の第1巻には、「スパルタやで」というオビが巻かれていました。
確かにこの本、1.5倍でオーバーラッピングなど、かなり負荷の高い練習が含まれています。
僕はTOEIC945点ですが、1.5倍のオーバーラッピングはうまくできません。(^_^;)

ただ、口を動かす練習は0.7倍から始まるなど、最初のハードルは低くなっていますし、それぞれ学習者が自分のレベルに応じて出来るところまでやれば大丈夫!
そういう意味で、かなり広いレベルに対応できる教材だと思います。
600点を目指すレベルくらいから取り入れられるかな。
またすべての練習をやり込めば、TOEICのレベルを超えて、本当のリスニング力を養うことが出来ると思います。

また、文字を見ながらの練習では、目で追っていく力も付きます。
こういうところはリーディングスピードの向上にも役立ちます。

■こんな人におすすめ

・単語は結構分かるけど、聞き取りが追いつかない。
・リスニングが終わった時点で疲れてしまい、リーディングで集中力がもたない。

とにかく本書で負荷の高い練習をすることで、リスニングを楽にこなせるようになります。
単語集だけでのスコアアップに限界を感じてきたらおすすめ!

2018年9月7日金曜日

参考書レビュー:TOEIC TEST 単語特急 新形式対策 (TOEIC TEST 特急シリーズ)



TOEIC TEST 単語特急 新形式対策 (TOEIC TEST 特急シリーズ)

出版:2016/9/7(2016/5形式に対応)
著者:森田鉄也
対応Part:Part5
問題数:100
音声:あり(ダウンロード)、米・英発音


Part5形式の問題を100問掲載した新書サイズの問題集です。
ボキャブラリービルディングを目的としていますので、Part5でも文法で解く問題ではなく、意味・語法の問題になります。
不正解になる選択肢も重要な語が選択されている他、問題の空欄以外の箇所にもTOEIC頻出の単語が多く散りばめられており、問題数から想像するよりは遥かにボリュームがあります。

■■本書の長所

1.価格・サイズが手頃

特急シリーズは1,000円未満という手に取りやすい価格は非常に魅力的で、手に取りやすいのが特徴です。
新書サイズというのも日々持ち歩くのにじゃまになりませんので、空き時間の利用に向いています。

2.学習しやすい紙面構成と、豊富な語注

紙面構成は、右側のページに問題1問、めくると解答・解説となっています。
問題ページの下には、空欄箇所以外の重要語のリストがあります。
(位置は結構離れているので、見ないで解くこともできます)

解答・解説ページでは不正解の語も含めて、類語・派生語・用法・例文などに紙面の多くが割り当てられています。

一つの問題から沢山の重要語をチェックすることができます。

3.ダウンロード音声は、すべての問題を英・米両方の発音で録音

選択肢部分を含む完全な朗読はアメリカ発音のみですが、正解を当て込んだ問題文の朗読は両方の発音で聞くことができます。
同じ文をすべて両方の発音で聞くことができる教材というのは珍しいのではないでしょうか。
両方のアクセントの違いに気づくにはいいやり方だと思います。

■■本書の短所

1.解説が少ない

単語の紹介はすごいボリュームですが、問題についての解説は少なめです。
特に、「〇〇と相性のいい単語は▲▲なので、これが正解」というような解説が見受けられるのは、正解・不正解の明確な根拠の説明としては弱く感じられ、残念。

2.単語を詰め込みすぎ

一つの問題に重要語をかなり詰め込んでいます。
そのため、単語が苦手な人が使うと、わからない単語が多すぎてなかなか先に進まないと思います。
ある程度単語の学習が進んでいる人が、復習とさらに上を目指すために使う用途に向いています。
本書でイチから単語を増やそうと思うと、かなり根気がいるのではないでしょうか。

3.ややボリュームに欠ける

いろいろ詰め込まれているとはいえ、ちょっとボリューム的には物足りない感はあります。
価格を考えれば十分ではありますが、もっとガッツリやりたい人だと2~3倍くらいの分量がほしいところではないでしょうか。

■■総評

Part5の問題形式をとっていますが、解き方のテクニックではなく、問題をネタに増やせるだけ単語を増やそうというアプローチの単語集という感じでしょうか。
すでに他の参考書で単語を学習済みの人が、仕上げに取り組むのに向いています。
990点を目指すなら、ここに出てきている単語はすべて完璧に身につけたいところです。

TOEICのリスニングを鍛える方法

TOEICのスコアを上げたいと思っていろいろ情報を調べたり、書店で参考書を見たりすると、とにかく小手先のスキルを強調したものが目立ちます。 問題を先読みするとか、良く問われるパターンを身につけるとか。 はっきり言って、そんなもの不要。 むしろ英語学習的には遠回りとさえ言え...